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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第30章 『公開処刑の前日』

「……この子に…何かあったら…。
無事に生まれて来て欲しいと…
そう…思う…半面、…この子に…
何の罪もないと…知りながらに…ッ…
流れてくれたらとも……考えて
親として…失格な事を…
一瞬でも…考えてしまった…
自分が…とても…恥ずかしくて…ッ…」
ポタポタと…俯いている
遊亀美月の手の甲に涙が落ちて。
ご主人との離婚が成立すれば、
遊亀美月さんは…3人の
子供を抱えるシングルマザーになるのが
確定してる…事なので…。
色々と…複雑な…感情や
不安も…沢山…あるんだろう…。
「主人は、娘の親権だけはきっと
ごねて来ると…思いますので…、
先生…ッ、…私は…、慰藉料の
請求額が通らなくても…、娘の
親権は…取りたいんですっ……」
ご主人の有責での離婚なので、
娘さんの親権は奥さんである
遊亀美月に渡る事は
安心して貰って良いと
卯月弁護士が話をしていて。
タイミングを真奈美は見計らって
邪魔をしないように伊藤にも
コーヒーをそっと出した。
『遊亀さんも伊藤さんも…
双方の配偶者である
遊亀正樹と…伊藤美海と…、
離婚されると言う意思は
今も…お変わりありませんね?』

