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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第30章 『公開処刑の前日』

『真奈美ちゃん先生には
コーヒーブラックでお願いね』
で良かったですよね、と仁が
隣に座っている卯月に確認する。
ちょっとした世間話とかを
してる感じだから、卯月弁護士は
三枝おじさんの知り合いみたいだし
仁さんとは面識があるみたいだ。
「相変わらず…茂木は、
あの3人でつるんでる感じなの?」
『あ~、まぁ…、あの2人は
僕と違って仕事忙しいんでね…』
と言う会話を…真奈美は
仁の服に仕掛けた盗聴器の音声を
ワイヤレスイヤホンで聞きながら、
卯月弁護士に出すコーヒーを淹れる。
会話の内容からして…あの2人と
卯月弁護士が言ってるのは、
仁さんの友人の鬼島貴虎さんと、
三宮の駅近でヘアサロンを経営している
カリスマ美容師の薫さん…。
と言うか薫さんの苗字知らないや…。
担当さんは薫さんにじゃないけど、
薫さんのヘアサロンには…
真奈美もカラーとカットに通ってる。
真奈美がヘアサロンに行くと、
忙しい感じだけどいつも
仁によろしくねって挨拶に来てくれて
担当の美容師さんにトリートメントを
高いグレードのやつに換えてくれたり、
炭酸ヘッドスパをサービスしてくれたり。

