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第29章 『ロールプレイングの下準備』

『懐かしいな…神戸文化ホール…、
僕が小さい頃は…おふくろに
ここに人形劇を観に何度か、
連れ来て貰った事あるよ』

そう懐かしそうに目を細めながら
仁が神戸文化ホールを眺めて居た。

その細めた目の先には…、
昔の…お母さんと自分の姿が
その横断歩道を渡って行くのを
時間を越えて見ているかの様で…。

『真奈美ちゃんは…？来た事ある？』

「は、はい…そ…それこそ…昔…
茂木の…おじさん…にって言うか…
仁さんのお父さんに連れて来て貰いました」

『俺には…父親らしい事…なんて
数えるほどにも…してなかったのに…。
ああ、ごめん…そう言う意味じゃないよ。
もし…あの親父が…そうしてたら…
うちの両親はああなって無かっただろうしね』

その教訓があったからか…、
真奈美ちゃんで家族ごっこを
してたってだけかも…知れないけど…。

この辺りは大倉山公園と言う公園で、
演劇やクラッシック音楽や
バレエ等のダンスの公演をする
神戸文化ホールを始め、
神戸市立中央図書館
神戸市立中央体育館やグランドがあり
市民に文化スポーツのエリアとして親しまれている。

神戸市営地下鉄西神・山手線の大倉山駅から
歩いて５分も掛からない立地にある。

「大倉山って言う位ですし、
大倉山って山が公園の中にあるんですか？」