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因果応報
第8章 暗転
翌日は流石に休めないと思って、
気合いで起きて早めに出社してみる。

いつものように松本杏奈がデスクのパソコンに向かっていて、
「おはようございます。
体調、いかがですか?」と声を掛けてきた。


声を出すのも億劫で、
無視するようなカタチでデスクに座ってパソコンを引っ張り出して起動した。


メールをチェックしようと受信箱を開くと、
同じメアドから同じ件名のメールが大量に届いていることに気づいて息を呑んだ。


『浮気は許さない』
という件名で、
多分、柳川が撮った画像が添付されていた。



「なに、これ?」

アタシは茫然としてしまって一瞬固まった後、
そのメール達を削除して、ゴミ箱も空にした。


ふと気づくと、松本杏奈がアタシの横に立っていた。



「なに?」と少し声を荒げて言うと、
松本杏奈は静かな声で答えた。


「あの…。
昨日、柳川さんの奥様が会社にいらっしゃって、
暫く総務の方と副社長と話をされてました。
来社した時に、渡辺課長のお名前を出されてましたので、
念の為にお知らせをと…」



あの電話って、
柳川の奥さんだったのかな?

と思って、頭に血が昇った気がした。



「柳川は?」


「昨日はお休みされてました。
あの…柳川さんの奥様って、
確か、副社長のお身内でしたよね?」


そう言えば、聞いたような気がした。

確か、副社長の姪で、
元々、小さい輸入会社をした挙句、潰してしまった柳川を、
可愛い姪の婿だからということで、
縁故の中途採用で入れたって聴いたことがあった。


はぁ。
これで、ここの会社でのキャリアは終わったかもしれない。

更に、慰謝料請求とかもされるんだろうか。




色々なことが一気に頭の中を駆け巡った。
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