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因果応報
第8章 暗転
もう、これが最後。
お店に行くのも、翔くんに会うのも。

だから、とびっきり綺麗にしていこう。

そう思って、
その週は、美容院やエステに行ったし、
仕事での付き合いという意味もあったので、
パリコレにオートクチュールコレクションを出しているデザイナーの、プレタポルテのワンピースも買った。
シルクの、ふんわりと歩く度に揺れる美しいプリントのドレス。


松本杏奈の方が余程似合いそうな柔らかい色合い。

でも、ミーティングを兼ねてショールームに同行した時も、
控えめで曖昧な笑みを浮かべながら、
彼女はどんなに勧められてもそこで服を買うことはなかった。



バッグまでは手が回らなくて、
かなり古ぼけたシャネルのバッグを手に、
あの店に足を踏み入れた。


靴もいつものヒール靴で、
自分で磨いてもちっとも綺麗にならなくて、
新橋の駅前で座っている名物靴磨きのお婆さんに磨いて貰った。



「あらあら。
良い靴なのに、もうちょっと可愛がらないと!」と
呟くように言われて、
自分のことも可愛がらないアタシが、
靴のことなんか、かまっていられないと、
心の中で呟いた。
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