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flower
第3章 flower 2

きっかけは些細な出来事だった。
「よかったら送りますよ」
優哉の友人である田村の言葉。車内にて悩みを吐露した美里はそれは流れに乗るかのように男女の関係に、浅い泥沼に陥る。
寂しさは仕方ない、ただ乾いた欲望も否定しない。振り返れば、、田村は別に口説く事なくただ頷いていただけだった気がする。
やがて、そんな空気は確実にグループ内へと伝染するのが世の常。
「何考えてるの!」
呆れ果てた詩織もやってらんない!と、また姿を消した。
美里は言葉にこそ出せなかったが
「貴方に私の何が分かるの?」
幾度となく堪えた本音。紛れもない本音が脳裏を過ぎる。我ながら驚いたのはもうその本音に自己嫌悪などは微塵もない事だった。
結局、田村とは別れた。
お互いにそれだけの事だったのだろうが、だが、一度緩んだタガは二度と戻らない。マスコミによってそこそこ有名人となった美里には様々な男が言い寄って来る。
要は保険金、金目当てだ。
「助かる人がいるんだから提供すればいいじゃん!君だって、、正直僕だって助かるしね」
もはや完全なる人間不信。
いや、今まで信じていた人間像そのものが間違いだったのかも知れない、とさえ思う。
そして、あの里村が紹介したドキュメンタリー制作会社もあまりの生々しさに早々とカメラを下ろした。
浜辺というディレクター曰く
「申し訳ないが、、これはちょっと放送出来ない」
無論、謝礼目当てなんかではなく、目が覚ました優哉に観てもらいたい。ただそれだけの理由だったのだが。
そして唯一の味方であった両親とも些細な事がきっかけで音信不通となる。
母が漏らした不意な一言だ。
「.いっそ亡くなってくれた方が、、」
美里は完全に意固地になっていた。
そして誰もいなくなる。いや、優哉がいる。とまでは頭がもう回らない。
そんな打ちのめされた美里の元にふらりと姿を表したのがあの義父だった。病院には似つかない派手なアロハシャツに長髪を束ねるカチューシャのようなサングラス。
「美里さん、離婚しなさい。目が覚めたら必ず連絡しますから。その時また二人で話し合えばいい。私は美里さんの味方しますから大丈夫です」
義父 章介もまた優哉同様にそれは穏やかに微笑んでいた。
文字通り膝から崩れそうになる美里を義父が支える。
美里はそこに優哉を見た。
もちろんそれは綺麗事、そして言い訳。
そして、、、、
「よかったら送りますよ」
優哉の友人である田村の言葉。車内にて悩みを吐露した美里はそれは流れに乗るかのように男女の関係に、浅い泥沼に陥る。
寂しさは仕方ない、ただ乾いた欲望も否定しない。振り返れば、、田村は別に口説く事なくただ頷いていただけだった気がする。
やがて、そんな空気は確実にグループ内へと伝染するのが世の常。
「何考えてるの!」
呆れ果てた詩織もやってらんない!と、また姿を消した。
美里は言葉にこそ出せなかったが
「貴方に私の何が分かるの?」
幾度となく堪えた本音。紛れもない本音が脳裏を過ぎる。我ながら驚いたのはもうその本音に自己嫌悪などは微塵もない事だった。
結局、田村とは別れた。
お互いにそれだけの事だったのだろうが、だが、一度緩んだタガは二度と戻らない。マスコミによってそこそこ有名人となった美里には様々な男が言い寄って来る。
要は保険金、金目当てだ。
「助かる人がいるんだから提供すればいいじゃん!君だって、、正直僕だって助かるしね」
もはや完全なる人間不信。
いや、今まで信じていた人間像そのものが間違いだったのかも知れない、とさえ思う。
そして、あの里村が紹介したドキュメンタリー制作会社もあまりの生々しさに早々とカメラを下ろした。
浜辺というディレクター曰く
「申し訳ないが、、これはちょっと放送出来ない」
無論、謝礼目当てなんかではなく、目が覚ました優哉に観てもらいたい。ただそれだけの理由だったのだが。
そして唯一の味方であった両親とも些細な事がきっかけで音信不通となる。
母が漏らした不意な一言だ。
「.いっそ亡くなってくれた方が、、」
美里は完全に意固地になっていた。
そして誰もいなくなる。いや、優哉がいる。とまでは頭がもう回らない。
そんな打ちのめされた美里の元にふらりと姿を表したのがあの義父だった。病院には似つかない派手なアロハシャツに長髪を束ねるカチューシャのようなサングラス。
「美里さん、離婚しなさい。目が覚めたら必ず連絡しますから。その時また二人で話し合えばいい。私は美里さんの味方しますから大丈夫です」
義父 章介もまた優哉同様にそれは穏やかに微笑んでいた。
文字通り膝から崩れそうになる美里を義父が支える。
美里はそこに優哉を見た。
もちろんそれは綺麗事、そして言い訳。
そして、、、、

