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flower
第3章 flower 2

勇気ある行動に称賛!

各マスコミは揃ってそう報じた。
仲間と久しぶりの山間でのキャンプ。
鳥を見てくる、とその場を離れた優哉は川に溺れている少女を発見、助けようと飛び込んだ。
その姿を見た登山中の若い男性が警察に通報、自らも救助に向かうも間に合わず、結局9歳の少女は川下にて溺死の状態で発見。溺れた優哉はその場で沈み、救出され応急処置を受け鼓動は動くも目を覚ます事はなくそのまま脳死判定を受ける。

だが、これはあくまでも見解でマスコミは先走りだった。
殺人ではないか?翌日にはそんな不謹慎な文字がインターネットには踊る。

山間の川というある種の密室での出来事。
少女の助けて!という悲鳴、それは様々な憶測が流れた。
また、少女が泳ぎに長けていた事実などが明らかになると待ったなしに誹謗中傷が始まりあれほど湧き上がったマスコミは沈黙した。
結局、少女が足をつっていた事が警察から発表され事故と判断。また、その場にいながらしも素通りした目撃証言も今更あり、ようやく事態は収集へと向かう。
そして、罪の意識か、想像以上の手のひら返しが始まり優哉の行動を称賛する声が聞かれた一方で、目を離した少女の両親への批判は未だに消える事はなく、また疑惑の目も向けられるも真相は不明。

因みに少女が泳ぎに長けていたという事実はなかった。

憔悴し切った少女の両親は一度だけ美里の元に挨拶に来た。
一度だけ、である。一体何に対して憔悴しているのか?そんな疑問に軽い自己嫌悪を覚えた。


ただ、幸いなのは優哉に常に寄り添っていた美里はこの間の出来事をリアルタイムでは知らない。
それこそ目が覚めたら世の中が変わっていたではないが、そう脳死という現実に目を向けた瞬間明らか世界は変わっていた。
だが、それは悲劇というよりこれから起こる悪夢への入り口だったに過ぎない。

キャンプ仲間がホームページを立ち上げ入院費に治療費、美里の生活費などの募金を呼びかけると相当な金額が集まった。

そう、渡辺が言った数字の世界は至って現実的。逆に言えば、曖昧だった、いや曖昧で良かった人間関係を見事なまでに浮き彫りにさせてしまうのである。
「数字が合わないんだけど、、」



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