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爛れる月面
第3章 広がる沙漠

変わらず低く、そして横柄ではあるが、何だか怯えているかのようにも聞こえる吐息がふんだんに混ざっており、紅美子は湯の底に膝とつま先をつき、鼠径に置いていた手も沈めた。苦しげに頬を凹ませている自分の表情が心配になり、髭よりもずっと柔らかい毛先に鼻先を擽られながら、睫毛に霞む上方を見遣ったが、何の失望も浴びなかった。次の瞬間、口内で亀頭が一気に膨らむ。
何故、そんなことをする必要があったのか、言われていないのに顎が下がり、口を開けて差し出した舌で、小孔から噴き出す熱い粘液を受け止めた。亀頭が再び挿りたがってくると、自ら顔を進め、外気を吸い込むのと一緒に唇を搾る。満たされた劣情が続け様に撒かれてくる。こうでもしない限り味わうことのない匂いが、鼻腔へと抜けていく。
やがて発弾は水気を含んだものに変わり、気が済んだ印として硬度をやや下げると、口の中から抜け出ていった。
唇から外れる際に端から一滴溢れ、顎の下に手のひらで受け皿を作った紅美子は背を起こした。井上を一度見上げ、視線を更に上へと移して滑らかな首すじを晒すと、初めての味覚と嗅覚、そして触覚を、喉へとくぐり落としていった。
「……知らないからって、ムチャクチャしたでしょ、あんた。死ぬかと思った」
睨みつつも口元には笑みを浮かべ、まだ絡み付いている口奥へ細かく唾液を流しつつ詰ると、
「すごかった」
「なんだそれ。ホメてるつも……」
井上が両脇を支えて立たせ、位置を入れ替わって縁へと座らせてくる。
「今度は僕の番だな」
髭が、丸出しにしているうなじへと這わされてくる。いつもより張っていることを紅美子自身にも気づかせて、反対側のバストが捏ねられる。
「っ……、痕、絶対、つけないで。いくら徹でも、気づく」
「……。わかってる」
苛立たしげな井上の声音とともに、太ももを肉がかすめた。もはや、上を向き始めている。井上の唇、指、そして時折の肉茎の先端が肌に描く軌跡には、尾を引いた疼きが残った。細い線が何度も引かれて、肌の全てを埋め尽くされていくような夢想に脳髄を痺れさせていると、
何故、そんなことをする必要があったのか、言われていないのに顎が下がり、口を開けて差し出した舌で、小孔から噴き出す熱い粘液を受け止めた。亀頭が再び挿りたがってくると、自ら顔を進め、外気を吸い込むのと一緒に唇を搾る。満たされた劣情が続け様に撒かれてくる。こうでもしない限り味わうことのない匂いが、鼻腔へと抜けていく。
やがて発弾は水気を含んだものに変わり、気が済んだ印として硬度をやや下げると、口の中から抜け出ていった。
唇から外れる際に端から一滴溢れ、顎の下に手のひらで受け皿を作った紅美子は背を起こした。井上を一度見上げ、視線を更に上へと移して滑らかな首すじを晒すと、初めての味覚と嗅覚、そして触覚を、喉へとくぐり落としていった。
「……知らないからって、ムチャクチャしたでしょ、あんた。死ぬかと思った」
睨みつつも口元には笑みを浮かべ、まだ絡み付いている口奥へ細かく唾液を流しつつ詰ると、
「すごかった」
「なんだそれ。ホメてるつも……」
井上が両脇を支えて立たせ、位置を入れ替わって縁へと座らせてくる。
「今度は僕の番だな」
髭が、丸出しにしているうなじへと這わされてくる。いつもより張っていることを紅美子自身にも気づかせて、反対側のバストが捏ねられる。
「っ……、痕、絶対、つけないで。いくら徹でも、気づく」
「……。わかってる」
苛立たしげな井上の声音とともに、太ももを肉がかすめた。もはや、上を向き始めている。井上の唇、指、そして時折の肉茎の先端が肌に描く軌跡には、尾を引いた疼きが残った。細い線が何度も引かれて、肌の全てを埋め尽くされていくような夢想に脳髄を痺れさせていると、

