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爛れる月面
第3章 広がる沙漠

「なに、これ……、……もう……」
思わず呻いた紅美子が項垂れそうになるのを、頬を捕らえて押しとどめられた。そのまま耳縁からうなじに沿ってなぞられ、後ろに回って髪も梳かれる。
吐息を間近に感じるや、唇をはまれた。上唇を髭に細かく擦られただけで、よろめきそうになる。舌に前歯をノックされ、滲みる顎を弛めると、後ろでは腰の手がヒップに撫で降り、指だけで軽いサテン生地をたくし上げてくる。
「んっ……」
微かな衣擦れを聞かせ、手が側面へと巡ってきた。井上の太ももが両脚の間に割って入ると、膝どころか下肢全体に力が入らなくなってきて、紅美子は拳を解いて肩へと掛けた。
「井上様、失礼いたします」
突然の女将の声に身を弾ませて、急ぎ離れようとしたが、素早く腰を固められてできなかった。
「ちょっ……」
「入っていいよ」
ふすまが開くのが肩越しに見え、とっさに首元へ顔を伏せる。中ごろまで捲れたスカートの内では、手のひらのすべてで太ももの付け根を摩すられているが、畳を摺する足袋の音には何の戸惑いもない。
「そこに置いといてくれ」
コトリと、背後の座卓に灰皿が置かれた。すぐそばにいる、ということだ。側面にいた指腹がショーツの縁を辿ってくる。紅美子は強めに身を捩らせたが、やはり、井上の手からは逃れることができない。
「お食事、いかがいたしましょう?」
伺いを立ててくるる女将の声は、全く温和だった。
「すぐでいいよ」
「かしこまりました。それではご用意いたします」
息を呑んだ。井上の親指が、ショーツの脇から中に侵入してきた。ヘアに触れてくる。まだ女将がそこにいるのに、秘割の方まで降りてこようとする。
やっと、足摩れが遠ざかっていって、失礼いたします、という控えめな声のあと、ふすまがトンと閉まると、
「なにしてくれて……、んっ!」
思わず呻いた紅美子が項垂れそうになるのを、頬を捕らえて押しとどめられた。そのまま耳縁からうなじに沿ってなぞられ、後ろに回って髪も梳かれる。
吐息を間近に感じるや、唇をはまれた。上唇を髭に細かく擦られただけで、よろめきそうになる。舌に前歯をノックされ、滲みる顎を弛めると、後ろでは腰の手がヒップに撫で降り、指だけで軽いサテン生地をたくし上げてくる。
「んっ……」
微かな衣擦れを聞かせ、手が側面へと巡ってきた。井上の太ももが両脚の間に割って入ると、膝どころか下肢全体に力が入らなくなってきて、紅美子は拳を解いて肩へと掛けた。
「井上様、失礼いたします」
突然の女将の声に身を弾ませて、急ぎ離れようとしたが、素早く腰を固められてできなかった。
「ちょっ……」
「入っていいよ」
ふすまが開くのが肩越しに見え、とっさに首元へ顔を伏せる。中ごろまで捲れたスカートの内では、手のひらのすべてで太ももの付け根を摩すられているが、畳を摺する足袋の音には何の戸惑いもない。
「そこに置いといてくれ」
コトリと、背後の座卓に灰皿が置かれた。すぐそばにいる、ということだ。側面にいた指腹がショーツの縁を辿ってくる。紅美子は強めに身を捩らせたが、やはり、井上の手からは逃れることができない。
「お食事、いかがいたしましょう?」
伺いを立ててくるる女将の声は、全く温和だった。
「すぐでいいよ」
「かしこまりました。それではご用意いたします」
息を呑んだ。井上の親指が、ショーツの脇から中に侵入してきた。ヘアに触れてくる。まだ女将がそこにいるのに、秘割の方まで降りてこようとする。
やっと、足摩れが遠ざかっていって、失礼いたします、という控えめな声のあと、ふすまがトンと閉まると、
「なにしてくれて……、んっ!」

