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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 100 大原浩一(15)

「ま、いいわ…」

「え…」
 
「だからぁ、誤魔化せたことにしてあげる」
 さっきまでとは打って変わったかのような目をして…
 それは、なんとなく醒めた目…
 そんな目で私を見つめ、そう言ってきた。

「えっ」
 それは許されたという事なのか?…
 戸惑ってしまう。

 まるで意味が分からない…
 だってゆかりは、昨日抱いた疑惑の追及の為に、今夜わざわざ訪れた筈なのに…
 しかも、私は嘘がヘタ――

 結局は、自らボロを曝したようなモノなのに…
 正に、ゆかりの言葉の如くに、必死に誤魔化そうとしたのに…
 いや、完全に自爆してしまったのに…

 それが…
「ふ、いいわ、もういいのよ…」
 
 え、許されたのか?――

 信じられない想いに、揺らいでいると…
 ゆかりの目が、下を向く。

 そして、穏やかな声音と目で…
「自分だけは、しっかり脱いでるんだぁ」
 そう、呟いてきたのである。

「え…」
 そんなゆかりが、怖く感じてしまう。

 え、なんだ、なんで?…
 ゆかりの意味が、意図が分からない。

 どう考えたって、私は、致命的なくらいに慌て、狼狽え、自ら認めてしまった様なモノなのに…
 ゆかりの目には、怒りや疑惑等の色が見えない、消えたのだ…
 いや、醒めた色。

「ま、いいわ…」
 すると、あろうことか微かな笑みさえ浮かべ、そう呟きながら、自ら、ブラウスのボタンを外し…

 そして…
「でもさぁ、せめてさぁ…」
 と、呆れた様に、ブラウスを脱ぎ、捲る上がったスカートのホックを外し…
 
「せめてさぁ、ブラウスやスカートくらい脱がせてほしいかなぁ」
 と、ボヤきながら、スカートを脱いだ。

「あ…いや…」
 え、怒っていない、許された?…
 心が騒めいてしまう。

 だが、そんな私の動揺をよそに…
「あぁほらぁ、スカートがしわくちゃぁ…」
 脱いだスカートを持ち上げて、呆れた様に、そう呟いてきたのである。

『ま、いいわ…』
 その呟き通り…
 どうやら私は、許され、不問にされたようである。

 だがある意味、それもまた怖い…
 だけど、とりあえず、ピンチから脱出できたのかもしれない。

 そしてこの不問は…
 ゆかりが再び私を選択してくれ…
 妥協してくれたという意味であろう――


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