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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 96 誤魔化そうと…

「それに、誤魔化そうとしたでしょう…」
 わたしは…
 そう、言わずにはいられなかった。

「えっ」
 彼は、言葉を呑み込む。

 誤魔化そうと――

 それは、彼、浩一さんがわたしに対して…
 松下秘書との関係の露見を、必死に隠そうと…
 こうしてわたしを抱き、ぐちゃぐちゃなまでに感じさせてしまえば…
『なんとかなる』という、誤魔化し。

 そして…
 それは、わたし自身の心に対しての言い訳の為――

 わたしは昨夜、敦子に抱かれ、愛され、ううん、慰められたのだ…
 そして、抱かれながら、自身の心の隙間の狭量を探り、図っていた、いや、計らずにはいられなかった。

 だって…
 今、敦子の存在感が、あまりにもわたしの心を占有しているから。

 だから…
 本当ならば、あの松下秘書との疑惑に対して、かなりの衝撃を感じるはずなのに、意外な冷静な己の想いに戸惑い、揺らぎ…
 果たして、もう、浩一さんという存在感の入る余地なんてないのかもしれない…
 そんな疑問と、怖れが心に沸いていた。

 そして、それを計る為にも今夜、彼の元を訪れ、抱かれた…
 ううん、浩一さんに抱かれなくては、計れなかったから――

 それくらい、わたしは、様々な想いや疑惑、影響を、松下秘書に対して抱き、受けていたから…
 そして、浩一さんに抱かれ、心まで崩された――
 
「ふ、誤魔化したくせに……」

「あ………」

「誤魔化そうとして、抱いたくせに…」

「い、いや…」

 そして抱かれ、それが分かった…
 つまり、それは、疑惑の肯定。

 決して言葉で言われた訳ではないけれども、これが全てを物語る――

「抱いて、ぐちゃぐちゃにすれば、なんとかなると思ったんでしょう?」
 
「い、いや、それは…」

 浩一さんはウソが下手…
 目を見れば、全てが覗けてしまう――

 だけど…
 抱かれ、乱されて分かったこと、いや、想い、感じたことは…

『そんな事、どうでもいい…』だった――

 そう…

 どうでもいい……

 だって――



 
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