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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 95 意外に…

 うつ伏せでベッドに伏せていると…
「ふ、まるで…変態…だなぁ…」
 そんな独り言が、聞こえてきた。

「……え、それは……」
 だから、思わず無意識に反応して、呟いてしまった。

 だって、それは…
「それは…あなた…のせい…だから……」
 そう、それはわたしのせいではなくて…
 彼、浩一さんのストッキングフェチという性癖が故からの、この流れからのせい。

 わたしのせいなんかじゃないから…
 と、黙ってはいられなかった。

 本当は、もう少し、この絶頂感の余韻に浸り、意識を翔ばしたフリをしていようと思っていたのだが…
 つい、反応してしまったのだ。

 だから、ゆっくりとカラダを仰向けに動かし…
「はぁぁ…」
 上体を起こし…

「あぁ、最悪だわぁ…」
右手で額の髪の毛を掻き揚げながら、そう、少しそんな自分の想いの照れ隠しの意味を込め、そう呟いた。

「えっ、あっ…あ、さ、最悪って?」
 すると彼は敏感に反応をし、少し狼狽えた様子で返してきた。

「ふうぅ、まずは、コレ…」
 だから、まずは、わたしの正当性の為にも、答えようと…
 そしてまた…
『最悪だわぁ…』
 実は、その言葉とは真逆で…
 意外に、心がスッキリとしていたのであった。

 そう、不思議なくらい心がスッキリ…
 逆に、それに対して、少し戸惑いを感じていたのだ。

 だって、あんなに、彼と松下秘書との関係に対してモヤモヤと揺れ…
 また、シャネル疑惑等にも揺れていたのに…

 そしてもうひとつ…
 さっき、絶頂感を迎えた瞬間に浮かんだ松下秘書の顔への困惑――

 それらに、なにひとつの意味も見いだせないのに…
 なぜか、今、穏やかな心に、戸惑いを感じていたのである。

 なぜなんだろうか?…
 まるで意味が分からない。

 逆にわたしは――

 そんなわたし自身の困惑に対して、まるで言い訳をするかのように…
「まずはコレよ…」
 彼に顔を向け、自分の姿に指を差し…

「もうブラウスもスカートも、ストッキングも、ぐちゃぐちゃでボロボロ…」

「あ…」

「それも変態のあなたのせいでね…」
 
「あ、いや、それは…」

「それに…」
 わたしは、彼を見つめ…

「それに、誤魔化そうとしたでしょう…」

 そう、言わずにはいられなかった――



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