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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 51 至極最もな正論…

「そろそろ、二次会をどうするか…」
 ふと、美冴さんが、そう言ってきた。

「え、あ、もうそんな時間か…」
 この『新プロジェクト企画』の決起集会という宴は、穏やかに進み…
 いや、わたしにとっては、すべては、美冴さんの気遣いのお陰によって、無事に落ち着け、穏やかに進んだといえるこの宴会。

「とりあえずここは、三時間はお願いしてあるみたいなんだけどね…」
 美冴さんはそう呟き、越前屋さんを手招きする。

「いちおうカラオケ予約してありますぅ」
 越前屋さんは、上機嫌で言ってきた。

「そう…あ、ところで常務さんとは?」
 美冴さんは、再びの揶揄モードで聞く…

「あ、は、はい…
 カラオケ誘ったんですがぁ、明日、早朝早い出発でぇ、山崎専務や松本副社長にゴルフを誘われちゃったらしくてぇ…」

「あら、そうなんだ、残念ね…」
 完全に、揶揄モードの美冴さんが囁く。

「あ、はい、頑張って誘ったんですけどぉ、朝早いっていうからぁ……」
 と、越前屋さんは、本気で残念がっている。

「……てことはぁ…」
 美冴さんはそう呟き、立ち上がる。

「え?」
 わたしは美冴さんを見る…

「あ、ほら………」

 それは、美冴さん曰く…
 彼、大原常務が一次会で帰るという事になると、必然的に、松下秘書も一緒に帰るに違いない……と。
 
「でも、なんとかそれを防がないと…」
 美冴さんは、そう呟く。

「え?」

「もぉ、ゆかりさんたら、え、じゃないでしょう…
 今夜、ちゃんと、彼と、お話ししないとでしょう…」

「あ…う、うん……」

 そうであった…

 昨日の、彼の、あの不惑な態度からの、確信的な疑惑と…
 今日の、松下秘書の、シャネルの香りの答え合わせをしなくては、いけなかった。

「明日からの為にもさぁ、今夜、ハッキリ、そして、ゆかりさんが、スッキリ、しなくちゃさぁ…」

「…うん…そ、そうよね……」

 美冴さんの言葉は、至極最もな正論なのであるのだが…
 わたしは…
 いや、本当のわたしの本音は…
『真実』を知るのが、恐い……のだ。

 もちろん、今でも、彼、大原浩一を愛している…
 大好きだ… 
 そして、これからも、一緒に歩いていきたい…
 それは、変わらない。

 
 だけど…

 果たして―――



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