この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
シャイニーストッキング
第21章 もつれるストッキング5   美冴
 23 まったく…

 タバコの煙に滲みた一滴の涙…

 それはまるで、ゆうじからのシグナル…

 ズキズキズキズキズキ………

 そうなの…ゆうじ………

『まったく…』

 まったく………

 そう、そもそもの、今日の常務室での対峙の時に感じたあの疑惑の…
 いや、松下秘書との疑いようのない不貞の露わと顕れの動揺と慌てぶり。

 それが…
 今夜のわたしの『ひがみ』という、自分自身を卑下してしまい、嫌が応もなく心の小ささと穢れを自覚してしまう、きっかけとなったから。

 そしてもうひとつ…
 また、治まったと思っていた『自律神経』の疼きが昂ぶってしまった。

 そう、そもそもが、全部が…
 あなたのせいなのよ……

 あなたの、大原常務のせいで…
 今夜、一人、こうしてこの店に、心をリセットしに来たのよ…

 まったく………

「あっ」
 すると…
 ある想いが脳裏を過り、そして心に囁いてきて、わたしは思わず声を漏らしてしまう。

「あ…え…ど、どうした…」
 すっかり萎縮した彼は、ふと顔を上げ、何事か、と、わたしを見る。

 え、ゆうじ、そういうことなの…

 また…

「え…」
 彼の目が、わたしの目の色の変化に気付いたみたい…

 ズキズキズキズキズキズキ…

 ゆうじ…

 そうなの…

 彼に…

 大原常務にまた…

「……だったら、わたしが…」

 またあの夜みたいに…

 タバコの煙がゆらゆらと周りを漂い…

 カラン…
 わたしのカクテルグラスの中の氷が小さく溶けて、隙間に落ちる。

 そうなのゆうじ…

「……だったら、わたしが……
 あの時に…
  ゆかりさんから盗っちゃえば……
    奪っちゃえば……よかった………」

 そうなのゆうじ、また、彼に…

 鎮めてもらえってことなの……




/2895ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ