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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 96 トライアングルブルー(4)

 だが視線は合わなかった、いや、ゆかりが合わせてくれなかった…
 それはおそらく、こんな私の狼狽えぶりに呆れてしまっているのだと思われるから。

 そして隣の美冴の目からも似たような視線を感じてしまい、私は更に思いっ切り動揺してしまう…
 そしてまた、自分としても情けなく、呆れていた。

 なぜなら本当は…
 元々こんな三人同時に対峙をする場面等の想定を以前に、そう、あの律子のベッドの枕元に鎮座をし、私の心の鏡的に想いを映し、押し問答をしてくるあの『夢の国』で買ってあげた『ダック』の縫いぐるみと心で語り、誓いをした筈であったのだ。

 それは…
 ゆかり、律子、美冴、この三人を絶対に離さずに尖って生きて行くと。

 そして…
 この三人は幸運の女神であり、私のこれからの欠かせない存在となる筈であると。

 私はいつかのあの夜に『ダック』にそう誓った筈であったのだが…
 この先も尖って生きていく…
 という想いはこの三人同時の対峙によって脆くも簡単に崩れてしまいそうであった。

 いや、あまりにもウソ、嘘が、言い繕いがヘタ過ぎる…
 そんな自分が情けない。
 
 だが、律子がコーヒーを配り終え、秘書としての立ち位置である私のやや後ろに控え、そしてゆかり、美冴、越前屋の三人が佇みを直し、仕事モードに切り替えた雰囲気になった時…
 チラと一瞥したゆかりの目の変化を感じたのである。

 いや違う…
 このわたしとこの越前屋の二人を除いたトライアングルの…
 佐々木ゆかり…
 松下律子…
 蒼井美冴…
 この三人の雰囲気が…
 そしてゆかりと美冴対律子という対峙の構図の空気感が変わったのだ…
 いや、確実に空気感が変わった感じが伝わってきたのだ。

 だが、そんな変化を全く感じていない、いや、感じる筈がない越前屋が…

「じゃ、越前屋さん、常務さんに分かり易く説明して…」
「はぁい…」
 というゆかりからの振りにより、例のシステムプログラムの進捗状況から先に説明をし始めてきたのである。

「ええとぉ、SEの中島さんによりますとぉ…………………………」

 そしてこの明るく朗らかな越前屋の説明と声音のせいなのか、この対峙の場の三人の雰囲気、つまりはこの三人による『トライアングルブルー』といえる憂鬱な空気感が…
 変わった様に感じた。



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