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恍惚なる治療[改訂版]
第15章 身体を重ねる

俯いてそう呟けば、柳川さんは一瞬言葉に詰まると、俺の顎をクッと持ち上げて唇を重ねた。
触れるだけの優しいキスを落としてから「すみません」と謝ってきた。

「我慢出来なくて、佐伯さんの了承を得ずにキスしちゃいました…」
「いえ…」
「キス、嫌じゃないですか?」
「…全然…もっとして下さい…」
「アイス片付けてきます」

柳川さんが戻ってくると、ベッドに横になって身体を寄せ合ってキスをする。
2週間の触れ合いを取り戻すように何度も角度を変えてキスをして、目を合わせては微笑み合う。

「キスってこんなに満たされるものなんですね…」
「すればする程もっと相手を欲しくなる…深いキス、してもいいですか」
「はい…」

返事をして口を開けば、すぐに舌が差し込まれて、ヌルヌルした感触が口内で動き回る。
舌を絡めて吸い合い、唾液を飲み込み、1つ1つ丁寧に行われる。

俺を傷付けないよう、優しくキスをしてくれている。
優しくて柔らかい行為、初めてキスするみたいで少し恥ずかしい…
唾液を引きながら唇を離し、俺の唇を舐めて柳川さんが問い掛ける。

「キスの先、進んでいいですか?」
「…はい」



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