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向日葵の姫君~王女の結婚~(「寵愛」第三部」)
第16章 絆
 セリョンは、この男がどうも好きではなかった。もちろん、好きというのは異性としてではなく、人間としてという意味だ。正確なところは知らないが、歳の頃は三十半ばほど、商人としては若過ぎもせず年寄りでもなく、油の乗った良い時期である。身の丈こそさほどではないが、なかなかに整った面立ちで翠翠楼の妓生たちの中でも人気はあった。
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