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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



市販のように上手くラッピングできなかったけど、お菓子は分量どおりに作ったから問題ないと思う。


包丁で切り分ける時もしっとりとしていた感じがしたから味も大丈夫そうだ。


そのガトーショコラが入った袋を椅子に座って待っているソラ先輩に笑顔で渡した。



ずっと伝えたかったこの言葉も添えて……。



「私と結婚してくれてありがとうございます」


結婚していたと知った時は驚いたけど今はそう思っている。


何もかも忘れてしまい、何もできなくなった私を毎日傍で温かく見守ってくれる優しい人。


こんなにも素敵な人と結ばれるのが信じられないくらいだ。



「お互いに同じことを伝えたかったんだね。一緒に暮らしているから似てきたのかな」


「すごい偶然ですよね。こういう事もあるものなんですね」


ふたりで笑い合ってからソラ先輩は私が渡したプレゼントの袋を開けてくれた。


作っているところを見られてしまったからチョコレートのお菓子が入っていることは分かっていると思うのに、一瞬驚いた顔をしていた。


「ガトーショコラか……」


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