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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

険しい顔をして私と課長の前にやって来たのは、新くんの彼女。
「この子がネットで噂になった婚約者なのかー。男を喰いまくってる割には地味だな。ハハハッ」
感じの悪いチャラチャラした男も私の方を舐め回すように見てきて不愉快だ。
しかも避けて通ろうとすると邪魔をしてくる。
「その男と家に帰るってことは新の同僚でもある彼氏とは別れたんだ?
彼氏を追い出して浮気相手と同棲してるとか超ウケるんだけど」
「違う!」っと歯向かいたかったけれど、現実は怯んでしまい思ったように声が出ない。
「別れていない。オレはおまえたちのような危害を加える奴からこの子を守るために一緒にいるだけだ」
私を庇うように課長が前に出て反論する。
「アハハッ、今度は正義のヒーロー気取りとかダサい。でもヤリマン女は彼氏と別れてないんだぁ……。
ネット上であそこまで噂になったのに」

