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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り



「はーい……。気をつけます。でも早く会いたかったから」


「まあ、走ってくるところも可愛いけど」


雪道で足を滑らせても大丈夫なように私の腰を支えて歩き出す。



生理が遅れていると言ってからソラ先輩の行動はさらに過保護になっている。


妊娠しているか、していないかは怖くてまだ検査薬で調べていないのに……。


会社の近くから立ち去る時、少し後ろの方で何かが雪の上にドサッと落ちた音が聞こえたけど振り向かずに歩いた。



次の日、会社に行くと潮崎さんの様子がおかしかった。


この職場にきてからこちらを向いてくることは多かったものの、いつも以上に私の方をチラチラと見てくる。


「風子、首筋が赤くない?」


「えっ!?そうかな……」


ブラウスの襟でソラ先輩に付けられたキスマークが隠れていると思っていたからヒヤリとする。


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