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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り

教えていなかったことを知られていて目を見開き、ほんの一瞬息が止まる。
「どうしてそれを知っているんですか」
茫然としながら思っていることを声に出すと、ソラ先輩は不敵に笑って私を見下ろしてくる。
「テーブルの上に置いてあったピルケースを見たら減っていなかったから。毎日忘れずに飲んでいたよね?
それなのにも関わらず、クリスマスイブの時に飲まずにセックスして次の日も、その次の日も飲まなかった。……風子は俺の子供が欲しかったの?」
テーブルの上に放置していたピルケースを見られていたんだ。
隠しているわけではないから見られてもいいけれど、他人が飲む薬なんて見ていないと思っていた。
でも子作りの話を出されると、不安と期待でなんだかドキドキしてくる。
「……ソラ先輩とどうしても結婚したかったから。赤ちゃんができたら結婚できるかなって思って……」

