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蜜会
第3章 溢れる
 とうとう安宅さんは私のグレーのカットソーをまくりあげてあらわになった胸の谷間に顔を埋めだした。

 胸元に前髪がさわさわと揺れて触れるたびにどこかしらくすぐったい。

 なんだか、真面目に「これが可愛いかな」と薄いピンクのセット下着を選んで着けたり、私はどうしたんだろう。

 奥さんも子供もいるような人が、今さら下着の色なんかで喜ぶわけがないじゃない。

 でも、あの「感じる」キスをくれる人との初エッチに私はすごく期待していた。

 だから、一度呼んだ後だというのに部屋もムキになってきれいにしたし、お風呂での自分磨きもこの一週間ずっと頑張っていた。

 まぁ、安宅さんは下着に何もコメントすることもなくそのうち背中に両手を回してホックを外しにかかった。

 そりゃそうよね、と思いながら少し体を起こして、安宅さんがブラを外しやすくしてあげる。

 やっぱり、頭からかぶるカットソーじゃなくて前開きのブラウスとかのほうが脱がせやすくてよかったのかもしれない……と思っているうちにホックは外されて、胸をあらわにされてしまった。


「きれいだね」


 いくら前回あんなキスをしていても、やっぱり初めて裸を見られるときはちょっと恥ずかしいな。

 そう思っていたら、もっと恥ずかしいことを言われた。


「たまらないよ、瑠璃ちゃん。そそる」


 右手の人差し指を左右にささっと動かして私の乳首を弾くと、もう片側はさっきのキスみたいな音を立てて吸い始めた。


「ああ、あっ……」


 思わず声が漏れちゃう。


 安宅さんの、キスを重ねしっとりした唇とざらついた舌とが私の硬く立ち上がった乳首を刺激すると、体の奥がいっそう、熱くなってゆく。


「仰向けでも、こんなに形がいいおっぱい、初めてだ」


 私も安宅さんもかすれた声しか出ていない。

 私はお尻をもじもじさせて安宅さんに胸を吸われ続けながら気持ちよさにひたっている。
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