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蜜会
第2章 湧き出す

自分からも舌を絡めるのは、ちょっと誤解されるかなぁ……と今更ながらの心配をしていたら、とつぜん安宅さんの服の中から電子音が鳴り出した。
そのけっこう大きめの呼び出し音は一瞬で切れはしなかった。
じゃ、メールやLINEではなく電話だ。
「所長だ」
音で会社の人から電話がわかるように設定しているのか、スマホを見る前にわかったらしい。
私を左腕で抱いたままジーンズのポケットに入ったスマホを右手で出して話し出した。
「はい、安宅です。お疲れ様です……ああ、わかりました、でも今ちょっと出かけてたんで、事務所に着くのが一時間……一時間半くらいかかるんですが大丈夫ですか?」
すぐ行きますと言って終話ボタンを押した安宅さんは残念そうな顔で小さくため息をついた。
「お父さんがね、ちょっと現場でトラブルがあったから応援に来てくれないかってさ」
「じゃあ、すぐ行かないと」
「そうなんだよ」
所長から「お父さん」に戻った。
お互い何を言えばいいのかわからない、みたいな空気が数秒だけ流れたけど、安宅さんはまたゆっくりした動作で私を抱きしめてキスしてきた。
「瑠璃ちゃん」
「ん……」
スマホをローテーブルに置き、その右手を私の頬に添えて、何度もちゅっ、と心地いいキスを降り注がせてくれる。
「ふぅ……また、会ってくれる?」
私からはまた唇を少しあけ、呼び込んだ舌を絡め合いながら「うん」と答えた。
次、ってことは、この続きをするのよね。
そのけっこう大きめの呼び出し音は一瞬で切れはしなかった。
じゃ、メールやLINEではなく電話だ。
「所長だ」
音で会社の人から電話がわかるように設定しているのか、スマホを見る前にわかったらしい。
私を左腕で抱いたままジーンズのポケットに入ったスマホを右手で出して話し出した。
「はい、安宅です。お疲れ様です……ああ、わかりました、でも今ちょっと出かけてたんで、事務所に着くのが一時間……一時間半くらいかかるんですが大丈夫ですか?」
すぐ行きますと言って終話ボタンを押した安宅さんは残念そうな顔で小さくため息をついた。
「お父さんがね、ちょっと現場でトラブルがあったから応援に来てくれないかってさ」
「じゃあ、すぐ行かないと」
「そうなんだよ」
所長から「お父さん」に戻った。
お互い何を言えばいいのかわからない、みたいな空気が数秒だけ流れたけど、安宅さんはまたゆっくりした動作で私を抱きしめてキスしてきた。
「瑠璃ちゃん」
「ん……」
スマホをローテーブルに置き、その右手を私の頬に添えて、何度もちゅっ、と心地いいキスを降り注がせてくれる。
「ふぅ……また、会ってくれる?」
私からはまた唇を少しあけ、呼び込んだ舌を絡め合いながら「うん」と答えた。
次、ってことは、この続きをするのよね。

