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埋み火
第1章 忍び火

「この辺は美味しそうな店、いっぱいあるよな。今度ゆっくり来られたら発掘しよう」
「そうね」
いつになることやら、と思ったが霧子は口に出さなかった。
いつも会えるのは平日で、こうして霧子は有給をとって京都から新幹線でやってくる。
午後三時きっかりにホテルにチェックインし、時間ぎりぎりまで体を重ねたあとはさっと夕食をとって博之は家に帰ってゆく。
それは「会社の飲み会」と妻に言っているらしい。
翌日は翌日で仕事のふりをして家から出てくると霧子の待つダブルの部屋にまた来て、レイトチェックアウトを活用し心ゆくまでベッドで過ごし、遅めの昼食を一緒に食べ夕方には東京駅で霧子を見送る。
そんな逢瀬を、毎月ではないがもう何回も重ねている。
どう頑張っても土日に栃木から東京に出てきては会えないよ、と言われて霧子は悲しかったが、博之がいつもと違うことをして関係が露見するよりましだからと自分を納得させて少ない有給を使っている。
「そうね」
いつになることやら、と思ったが霧子は口に出さなかった。
いつも会えるのは平日で、こうして霧子は有給をとって京都から新幹線でやってくる。
午後三時きっかりにホテルにチェックインし、時間ぎりぎりまで体を重ねたあとはさっと夕食をとって博之は家に帰ってゆく。
それは「会社の飲み会」と妻に言っているらしい。
翌日は翌日で仕事のふりをして家から出てくると霧子の待つダブルの部屋にまた来て、レイトチェックアウトを活用し心ゆくまでベッドで過ごし、遅めの昼食を一緒に食べ夕方には東京駅で霧子を見送る。
そんな逢瀬を、毎月ではないがもう何回も重ねている。
どう頑張っても土日に栃木から東京に出てきては会えないよ、と言われて霧子は悲しかったが、博之がいつもと違うことをして関係が露見するよりましだからと自分を納得させて少ない有給を使っている。

