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埋み火
第2章 熾し火

「さっきも言ったけど、今はほんま霧ちゃんが大事なんや。そんな泣くなら、霧ちゃんといる間は嫁には触れんよ。それでええやろ?」
あの人もそれくらい言ってくれたら、私はだいぶ気持ちが楽になったのに。
そんなふうに、もう博之のことしか霧子は考えられなかった。
「せっかく今夜はこんな夜景の見える部屋に泊まってるんやから、もう泣くのよそう? な? 霧ちゃんのぱっちりキレイな目が腫れてまうよ。明日もいっぱい、おいしいもの食べさせたるからね」
直球しかとことん投げられない性格なのは賢治も博之も同じだろう。
もともと女の涙には男の性欲を失せさせる作用があるというが、賢治は霧子を組み敷いて柔肌に触れているだけで欲望が止まらなくなってしまうらしい。
「もう、俺のものなんやから」
結局、霧子が賢治の欲望から解放されたのは夜半すぎだった。
あの人もそれくらい言ってくれたら、私はだいぶ気持ちが楽になったのに。
そんなふうに、もう博之のことしか霧子は考えられなかった。
「せっかく今夜はこんな夜景の見える部屋に泊まってるんやから、もう泣くのよそう? な? 霧ちゃんのぱっちりキレイな目が腫れてまうよ。明日もいっぱい、おいしいもの食べさせたるからね」
直球しかとことん投げられない性格なのは賢治も博之も同じだろう。
もともと女の涙には男の性欲を失せさせる作用があるというが、賢治は霧子を組み敷いて柔肌に触れているだけで欲望が止まらなくなってしまうらしい。
「もう、俺のものなんやから」
結局、霧子が賢治の欲望から解放されたのは夜半すぎだった。

