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第5章 知られた秘密

「真奈、泣かないで。……君のためなら、俺頑張るからさ」

あくまでもやりたくてやるんじゃないという体で優しく微笑む。



でも、脳内では既に彼女の絶叫に似た懇願が響いていた。


恥ずかしさの余り圭吾の肩に顔を沈めていた真奈に反して、圭吾がにやにやと意味ありげに笑む。



「それにしても……愛奈は……あんな事もしてみたかったんだ？」

何の事かと視線だけが彼を見詰める。



圭吾も既読したという例の話で、主人公が何度も咥えるそれ。



圭吾とのセックスと全てが全く同じではない。

真奈の多少の願望も入っていた。



経験したことの無いものを書くのはとても難しかった。

空洞の文章のようで、読者に未経験なことを見透かされているのではないかと言う猜疑心も生じる。



だから、余計に玩具でイキ狂う事を経験しなくてはいけないと強く思ったのだ。