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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第26章 喪失、そして愛、ふたたび
 フィメリアは微笑みながら、ここのところの日課となったようにスエンと色々な話をしながら夕食をありがたく食べた。二人の交わす話の殆どはフィメリアが子どもの頃、夏陽で暮らしていた時分の想い出ばかりだった。






 スエンは良人を早くに亡くし、料理番をしながら女手一つで息子を育て上げた。夏陽と高麗の戦の際、息子は兵士として戦っていたが、指揮官の眼を盗んで脱走、都に残っていた妻子やスエンを連れて高麗を目指したという。敵国ではあるけれど、他に行く当てもなかった。
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