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鬼ヶ瀬塚村
第14章 修羅道
僕は自分でジーンズを脱ぎ落とした。
そしてピッタリと彼女を抱き締める。
不思議な感覚だった。

『…愛してないって言って』

『そんな事言えるか』

女が僕の背中に冷たい手を回し、胸の中で泣いていた。

『真理子さん、明日朝一で東京へ帰ろう。ご両親には悪いけど、これ以上真理子さんをここへは置いてられないよ』

『………』

雨が少し弱まったのか周りの竹林が風に揺れる音が聞こえだした。
もう雷が唸る音もしない。

『…それが出来たらこうしてないよ』

真理子さんは鼻水をぐずつかせながら僕の肩に頬を擦り付ける。

『駄目だ。帰ろう。なんだか怖いんだよ…そりゃワクワクする事もあったよ?でも…こうは言いたくないけど、この村はおかしいよ』

『………』

『さっきだって…掟で殺すとか…考えられないよ。本当の事なの?だとしたらあり得ないよ』

『……うん』

『好奇心で知るには代償が大きすぎる何かがあるよ、この村は』

"どど"が…。
"しん"が…。
きっと触れずに生きていくべきなのだろう。

僕にはもうわかる。
タブーなのだ。この村はタブーの塊なのだ。

『………』

『帰ろう、真理子さん』

東京へ。

返事はなかった。ただ、ピッタリと身を寄せているだけの彼女…。

『次に目が覚めたら、東京に戻ってるよ』

彼女はポツリと言った。
そしてゆっくりと顔を向ける。
その顔は"あの日"と同じくしゃくしゃの泣き顔だった。
僕を何年と心の暗闇へ追い立てるあの顔だ。

『…目が覚めたら?』
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