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鬼ヶ瀬塚村
第13章 人間道
紗江さんは青筋を立てて言う。カヤさんが芋虫のように微妙に動いた。

『ご馳走様でした。お茶だけ頂きます』

僕は立ち上がった。

『冷蔵庫にあるっぺ、勝手に飲め』

紗江さんはそう言ってカヤさんに近寄った。彼女の口元へと素麺を近付け

『ばあぢゃん、はよ食べでぐれぇ』

と優しく言う。

僕は"なんだ、笑えば結構可愛いじゃないか"と思いながら調理場の暖簾をくぐった。

調理場はステンレスがメインで、田舎の台所には思えなかった。

大きな銀バエが2~3匹飛んではいたが、清潔に保たれているようだ。

壁側面に食器棚が並び、中に年代物そうな茶碗や湯飲みが並んでいる。

調理場の真ん中には大きなステンレス状のテーブルがある。赤くくすんだまな板の上には大根の葉が張り付いていた。

『冷蔵庫?』

僕は大型の冷蔵庫を見上げた。
大食らいの荒岩家だが、仰々しい程馬鹿デカイ。

ステンレスで出来たそれには取っ手がいくつもあり、どこに飲み物があるかわからない。

とりあえずメインであろう大きなドアの取っ手を手前に引いた。

妙にすえた匂いがする。中には大小様々な四角いタッパーが並んでいた。

『そこじゃねぇよ』

暖簾をくぐり紗江さんがやって来た。彼女は流し台へ茶碗やハシを運びながら

『一番下んどごだ、湯飲みは勝手に好きなんどれッ!』

と威圧的に言う。
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