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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第8章 京都の彼…初デート

これといった観光をするわけでもなく
彼と歩きながら
ときどき彼の顔を見上げるだけ。
そして一緒にご飯を食べるだけ。
そんなデートが
楽しくて
嬉しくて
時間の経つのがあっという間で、
別れの時間が近づくにつれて
切ない気持ちになってくる。
今度
いつ逢えるのかわからない。
彼との間には
2時間の距離があり
お互いに
「家庭」とゆう障害がある。
その現実を
受け入れなければならない。
けれど、認めたくなかった。
今日だけは
彼の恋人だと思っていたかった。
こんな私の気持ちに
彼は気付いていたのだろうか…?
彼の車に乗って
私の車を置いている
駐車場へと向かった。
自然と口数も少なくなる。
幸せな時間はあっとゆう間に過ぎて
私は元の家政婦のような生活に戻るのだ。
そんな私の想いを知ってか
彼もまたワザとゆっくり
運転しているようだった。
駐車場が近づくにつれて
悲しみがどんどん深く
大きくなっていって…
気がつくと
私の頬には涙が伝っていた。
『泣くな!
また絶対に逢えるんやから!
これっきりにはせえへんから!』
そんな彼の言葉も慰めでしかなく
涙を止めることは出来なかった。
このまま時間が
止まればいいのに―――。

