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愛されたくて ~わたしってイケナイ人妻ですか?~
第15章 亮輔…失踪?

使わなくなってから
たぶん2年くらい。
エンジンもかけずに放って置いた原付が
もしかしたら亮輔の役に立てるかも知れない。
そう思いついたとき
自然に言葉が出ていた。
「うちに乗らなくなった原付があるんだけど
もし動いたら…乗る?」
『マジで~っ?
チョー嬉しいんですけどーっ!
俺、取りに行くよっ!』
亮輔が住んでいるのは滋賀県。
そこからの電車代が
どれだけかかるのかはわからないけれど
亮輔は取りに来ると言う。
運転して帰るのは
大変な距離だろうに…。
このときの私は
亮輔が言うことは何でも信じてしまっていたんだ。
もしかしたら
住んでいるところも
亮輔とゆう名前さえも
嘘だったかも知れないのに…。
「長い間放ってたから
動くかわかんないし
確認したらまた連絡するね」
『わかったー
連絡、待ってるしー』
電話を切ったあと
私はさっそく原付のエンジンをかけてみた。
後は、ガソリンを満タンにして
帰る道中でガス欠になったら困るからと
買ってきたタンクにもガゾリンの予備を用意した。
刻一刻と…
破滅の時間が近づいているなんて
このときは想像すらしていなかった…。

