この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
熱・愛・契約~熱・愛・事変
第5章 乱暴でもいいから、奪って
しのの柔らかい唇の感触は知っていた。
昼間、熱狂のライヴ会場のぎらつく太陽の下で偶然に重なった唇。
何秒間かの時間、しのの唇と自分の唇が確かに触れあった。
互いの事を何も知らず、初めて会った同志なのに――いや、こうしている今だって、しのの事は殆ど何も分からない。
若者に大人気のアイドルグループのリーダーで、気が強くてしっかり者なキャラで世間に認知されていること、母親がプロダクションの社長で多忙な事、おでんを上手に作ること、可愛らしいパジャマが似合うこと――そして心の奥に寂しさを隠して居ること――
今堺が彼女について分かるのはそれくらいのことだ。
ここ何年か女性と深い関係になるのを意識して避けてきた自分。
誘惑があったとしても、やんわりと拒絶してきたのに――
なのに、彼女の濡れた瞳を覗いた瞬間、強烈に引き寄せられてしまうのを止められなかった。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


