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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第2章 出逢い、夏フェス
不思議だった。死ぬ前はスローモーションで昔の思い出が甦るって聞くけれど、私に見えるのは昔に何回も言われた『しね』という言葉だけ。
そうか、私には何にも無いんだもんね。だから見えないんだ。
突如、寒気が足元から襲ってきた。地面に足が着かないというのはやはり頼りない。ジェットコースターに乗ってお尻が浮いた時の感覚みたいだ――
しのが、墜ちながら瞼を閉じた瞬間、知らない男の叫びが耳に飛び込んできた。
「まて――っ!待つんだ――!落ちるな――っ」
――待つって、そんな無理な、と突っ込みたくなったが、その言葉がしのの口から出る前に、堺がスライデイングして倒れ込んだ処にしのは落ちた。
「いたいっ」
「うげえっ……」
しのと堺は同時に呻いた。

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