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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第20章 待ち人
日嗣はそれに応え、荷だけを確認すると川から上がった。
何度も示された岩肌の裂け目。そこを潜る間際一度だけ振り返れば、生命の女神は何かをすくうように川へと手を伸ばし、そのまま闇に紛れて消えた。
(──あと少しだ……)
今はそれ以上のことを考えない。
そして日嗣は胸元の玉を握り体を癒しながら、崩落していた岩を乗り越え、その先へと進む。
***
裂け目の先は、猿彦に通された洞窟とよく似た場所になっていた。
そこを抜けた先もやはり同じ──数え切れないほどの鳥居をくぐって、あんなにも深い地の底へと潜っていったはずなのに、出口はやはり山の中だった。山というよりは台地だろうか。出口から張り出した岩の台座の淵まで進めば、そこから一気に開けた景色が見渡せる。
(……何だあれは)
そして真っ先に日嗣の目に映ったのは、山々の間にぽっかりと沈んだ巨大な池。
……池だろうか。見た限りは湖とも海とも呼べるような巨大な水の溜まり場だったのだが、どうしてだか日嗣にはその呼び方が一番相応しく思えて、そう認識してしまった。
そしてその巨大な池の周りをぐるぐると──光と金属でできた、蛇のようなものが回っている。
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何度も示された岩肌の裂け目。そこを潜る間際一度だけ振り返れば、生命の女神は何かをすくうように川へと手を伸ばし、そのまま闇に紛れて消えた。
(──あと少しだ……)
今はそれ以上のことを考えない。
そして日嗣は胸元の玉を握り体を癒しながら、崩落していた岩を乗り越え、その先へと進む。
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裂け目の先は、猿彦に通された洞窟とよく似た場所になっていた。
そこを抜けた先もやはり同じ──数え切れないほどの鳥居をくぐって、あんなにも深い地の底へと潜っていったはずなのに、出口はやはり山の中だった。山というよりは台地だろうか。出口から張り出した岩の台座の淵まで進めば、そこから一気に開けた景色が見渡せる。
(……何だあれは)
そして真っ先に日嗣の目に映ったのは、山々の間にぽっかりと沈んだ巨大な池。
……池だろうか。見た限りは湖とも海とも呼べるような巨大な水の溜まり場だったのだが、どうしてだか日嗣にはその呼び方が一番相応しく思えて、そう認識してしまった。
そしてその巨大な池の周りをぐるぐると──光と金属でできた、蛇のようなものが回っている。
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