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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第17章 父が歩んだ道
目に飛び込んできた眩いばかりの黄金に、絶句した。
 (うそ……嘘、嘘、嘘)
それは絶対に、こんなところにあってはいけないもの。
 なぜならこれがここにあるということは──あの巫女はもう──間違いなく、“それ”を果たしてしまっているということと同義だからだ。
 でなければこれがここにあるはずがない。そして今、方々に散らばる紙は……だからこその、恋文だった。
(嘘……でしょ……)
それを知った瞬間、巫女の頭の中にざあっと冷たい風が吹いた。
 だとしたら、自分達は今何をしていたのだろう。“これ”の持ち主は並みの神ではない。だからこそ皆があの男神の境遇を知り、その儚い姿と憂いを帯びた顔に恋焦がれたはずだった。それなのに……それが唯一、気が遠くなる程の時をかけてようやく癒されようとしている道を、自分達は断とうとしているのではないか。いくらその祖母たる女神を、最高神を戴いていたとてやはり……やっていいことと悪いことがあったのではなかったか。
 そもそも自分達があんなにも邪な気を持たなければ、こんなにも残酷な女神を喚び出すことも無かったはずだ。
 もしこれが、露見したら──。
 「……」
一瞬、隠してしまおうかと思った。
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