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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第13章 月の剣
 枯れた喉や乾いた舌を潤すように唾液をまぶし、その巫女が生み出す甘い吐息を貪り……。
 それを体内で感じる度に月読の身は熱を帯び、今度こそ雄の証をたぎらせていく。
 「お前の肉の花をむしれぬのが、本当に口惜しい」
「……」
「しかしあれも一応身内ゆえ、手を掛けてやらねば仕方ない。……いいか、よう胸に留めおけ」
「……?」
「私は所詮、ただの呼び水に過ぎぬ。……月はいずれ巡り、熱き太陽を呼ぶだろう。しかしその日が無ければあらゆる命は生まれず、育たぬ。お前と日嗣の恋の芽もだ」
「それ、は……」
「魂に水霊の印を刻まれ、その殻を禊に満たされた水の娘よ。しかしその日の苛烈さに、干上がるでないぞ。そしてその日輪の如く大輪の花となって、再び私の前に姿を現すといい」
 月読は神依の言葉を待たず、もう一度口付けを求める。
 そして今も内に媚薬を残し男を誘うように色付く肌に、円やかな乳房の上で煽るように膨らむ二つの花芽に、蜜を溢し男を誘う花弁に指を這わし、その芳香が溢れ出す瞬間──

その存在を誇示するかのように自身の朱印を刻むべく、一度は打ったはずのその柔らかな頬に、唇を落とした。

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