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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
(……私のせい? だから禊も……、ずっとこんなふうだったのかな……)
胸が痛くて、悲しくて。でもそれを言えない。伝えられない。時折、意識が眩むような快感でそれをごまかして……仮初めの幸せを得て、何度も遣り過ごす。
伍名の言葉を借りるなら、こんなになるまで心を滞らせて。
(それでも何か……言ってくれれば良かったのに……)
言ってくれれば、きっと、私だって──。
(……、……私だって? ……)
そう思えば、不意にそれがどんな気持ちか分かって、余計に涙が溢れた。
(禊……)
……言えるはずなどなかった。自分だって、日嗣にそれを言えなかった。ただいつか、日嗣がそれを優しく暴いてくれると信じてそっと心にしまいこんだ。
誰にも祝福されない……自分達だけが幸せな時間。自分達だけが幸せならそれで良かった時間。
それを壊してしまうのが嫌で、神依はその甘酸っぱい感情の欠片を大事に心の中に包んだ。いつか、自信を持って差し出せる時が来たら……いつか、見つけて開いてくれる時が来たら。そう思って。
でももしかしたら、禊もそうだったのかもしれない。
けれども神依は自分の、自分のものだけを特別なものだと思って、他のものを見ようとしなかった。
胸が痛くて、悲しくて。でもそれを言えない。伝えられない。時折、意識が眩むような快感でそれをごまかして……仮初めの幸せを得て、何度も遣り過ごす。
伍名の言葉を借りるなら、こんなになるまで心を滞らせて。
(それでも何か……言ってくれれば良かったのに……)
言ってくれれば、きっと、私だって──。
(……、……私だって? ……)
そう思えば、不意にそれがどんな気持ちか分かって、余計に涙が溢れた。
(禊……)
……言えるはずなどなかった。自分だって、日嗣にそれを言えなかった。ただいつか、日嗣がそれを優しく暴いてくれると信じてそっと心にしまいこんだ。
誰にも祝福されない……自分達だけが幸せな時間。自分達だけが幸せならそれで良かった時間。
それを壊してしまうのが嫌で、神依はその甘酸っぱい感情の欠片を大事に心の中に包んだ。いつか、自信を持って差し出せる時が来たら……いつか、見つけて開いてくれる時が来たら。そう思って。
でももしかしたら、禊もそうだったのかもしれない。
けれども神依は自分の、自分のものだけを特別なものだと思って、他のものを見ようとしなかった。

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