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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
「でも、私は知っています。御霊祭の日、あの神が貴女を求め……貴女もそれに応えたことを。誰にも預かり知れぬところで何事かを語り合い、心を交わし、その温もりを分かち合ったことも」
「……ご……ごめんなさい……」
「貴女が謝ることはありません。……何に対して謝っているのか、御自分でも分かっていらっしゃらないでしょう。ですが私は、それを責めたりはしません。貴女の無知は……何も話さなかった私のせいですから」
「あ……っ」
耳の横に流れていた髪が一房すくわれ、そのわずかな刺激にぴくりと体が反応する。
 睦み合う夫婦や恋人達のそれとも違う。ただ猫が、食うわけでもなく捉えた鼠に爪をかけ遊ぶのと似たような感覚なのだと神依は思った。
 大好きな──そう、多分大好きなおもちゃ。
 だから禊は、本当にいとおしむように手にした髪を頬に寄せ、くちづけする。
「禊……」
「ただ貴女には、私がどんな思いでこの髪をといていたか……知って欲しい。……ここでは巫女も禊も関係ない。一組の男女であることが許されるというなら、私が今まで貴女に何を依せていたか……語り尽くしたい。けれどそれには、言葉では足りないのです」
「んんっ……」
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