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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第11章 連理
【1】

 その神は、兄弟、同胞からひどく憎まれていた。

***

 「ま──待って──待って下さい。伍名様……伍名様は私の、淡島でのお父さんを知っているのですか?」
「いや……知りはしない。けれども、縁を辿れば分かる」
神依は慌てたように身を乗り出しそれを問うが、伍名は緩く頭を横に振って少しだけ寂しそうに笑った。
 「淡島より流され、また八衢より流れ着く水蛭子はおおよそが神と人との子でもある。それは、分かるね」
「……はい。巫女は、人の姿のまま神の妻となれるもの。神と一夜の契りを結び、一夜の夫婦になるものだと……洞主様から伺っています。だから……ですよね」
「そう。それは女神と覡(おかんなぎ)とて同じこと。そして先程、初めてお前にまみえた時──私はお前の内に、その縁(えにし)を視た」
「あ──」
言われて神依は気付く。あの時の、不思議な感覚が多分それだったのだろう。だからこそ、この神はすぐに“縁”の話を持ち出した。
 しかし、ということは──
「その私の父だという神様は……今も、高天原にいらっしゃるのですか?」
「ああ、私もよく知っている。恋多き……今は、とても幸せな神だ。いや──いずれの神を語るにも、恋と酒が必須だろうけれど」
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