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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第10章 身寄り
その神が語ったことは、今日まで神依が背負ってきた心の荷をわずかに降ろしてくれたような気がした。
 ずっと一人、他の巫女達に交じれぬまま時間だけが過ぎてしまった。禊もまた時折自分に何かを秘せ、この頃は少し距離を置かれるようになってしまった。
 だけどそれは──少なからず、自分が変だからだと思っていた。
「私……それでも、おかしくないですか?」
「無論。とても愛らしく、そして才ある巫女だ。御霊祭も、ずっと見ていたよ」
「……ありがとうございます」
 ほう、と神依の肩から力が抜けるのを感じて、また部屋に入ってより初めて真っ正面から自身を見つめてくれた少女に、伍名はそれを心底喜ぶように顔をほころばせる。
 それから──改めて禊や童を見、その笑みの中にまた違うものを宿すと、ゆっくりと言葉を続けた。
「それでは、肌を晒すに信を得るよう……まずは、神依。……お前の父の、話をしよう」
「…………え?」
「──伍名様」
 余りに思いがけない言葉に神依が呆けたように呟き、また先程の視線が何であったのかすぐさま理解した禊と童が目を見開く。
 しかし伍名はわずかな仕草でそれを留めると、再び神依をその穏やかな眼差しで、見つめた。

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