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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第9章 穂向け
***
水の森と化した広場では、皆わずかに残った陸地や木の枝根に腰を下ろしお喋りをしていた。
「──なんで、言ってくれなかったの」
「先程申し上げた通りです。それに……わざわざそれを禊が指し示すまでもなく、巫女は普通そういうものですので」
「……禊、私が淡島に来た日のこと覚えてる? お風呂で話した時……上手く、隠してたんだね」
「ですが嘘は申し上げておりません」
足元にお気をつけ下さい、と何事もなかったかのように宣い手を差し出す禊に、神依はぷうっと頬をふくらませてそれを取る。
歩くにも座るにも不便さはあるが、今の神依には天からの視線を遮る梢がありがたい。
しかしそこにいた巫女達は皆一様に、神依を見ると目を反らしたりどこか別の方へ行ってしまった。
それがまた異端だと責められているようで、神依は眉を下げ禊に問う。
「……私、また変? 分かってはいたけどもっと違うものだと思ってたの。もっと……自然に出会って、同じ時間を共有して、お互いに大切だと思える人と、だんだんそういう風になっていくものだと思ってたの」
「それは……変ではありませんが」
「俺は嫌なら断ってもいいと思うけどな。洞主様が仰るような物騒な話、俺が来てから一度だって聞かないし」
「そうなの?」
水の森と化した広場では、皆わずかに残った陸地や木の枝根に腰を下ろしお喋りをしていた。
「──なんで、言ってくれなかったの」
「先程申し上げた通りです。それに……わざわざそれを禊が指し示すまでもなく、巫女は普通そういうものですので」
「……禊、私が淡島に来た日のこと覚えてる? お風呂で話した時……上手く、隠してたんだね」
「ですが嘘は申し上げておりません」
足元にお気をつけ下さい、と何事もなかったかのように宣い手を差し出す禊に、神依はぷうっと頬をふくらませてそれを取る。
歩くにも座るにも不便さはあるが、今の神依には天からの視線を遮る梢がありがたい。
しかしそこにいた巫女達は皆一様に、神依を見ると目を反らしたりどこか別の方へ行ってしまった。
それがまた異端だと責められているようで、神依は眉を下げ禊に問う。
「……私、また変? 分かってはいたけどもっと違うものだと思ってたの。もっと……自然に出会って、同じ時間を共有して、お互いに大切だと思える人と、だんだんそういう風になっていくものだと思ってたの」
「それは……変ではありませんが」
「俺は嫌なら断ってもいいと思うけどな。洞主様が仰るような物騒な話、俺が来てから一度だって聞かないし」
「そうなの?」

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