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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第23章 天地開闢
それを何度か繰り返す内には、日嗣の目にもその魂が何か違うものになっていくのが分かった。
この黒い穢れは一体何なのか……しかし子龍は今それを自ら纏い、その分意識を取り戻したかのように目に──その窪みに光を宿し、体を起こそうともがく。
しかしもはやそれは叶わなかった。限りなく死に近い場所にあって、やがてそれを悟った骨の子龍は身を横たえたまま日嗣を見上げる。
「……」
そして日嗣もまた、かつて頭を落とした水霊に接したようにその場に跪いた。
「……お前は何者だ。……何故神依に?」
責める声ではない。ただもう既に悼む声音だったことに罪悪感を得ながら同じ問いを重ねれば、骨の龍はその頭をわずかに動かしそれに応えた。下顎が微かに震え、肉体を失った今そこから声が出るでもないに、か細い音が聞こえてくる。
『……私は、あの子に対して一番最初に罪を犯した者。その者の、魂の欠片を食った……食って死んだ、豊葦原の神だった者……』
「豊葦原の神?」
その思わぬ答えに、日嗣はそれをおうむ返しにして問いに変える。──今は伍名たち国津神でさえ常の住処を高天原に移しているのに、神依の流された時代にはまだ神が残っている場所があったのか。
この黒い穢れは一体何なのか……しかし子龍は今それを自ら纏い、その分意識を取り戻したかのように目に──その窪みに光を宿し、体を起こそうともがく。
しかしもはやそれは叶わなかった。限りなく死に近い場所にあって、やがてそれを悟った骨の子龍は身を横たえたまま日嗣を見上げる。
「……」
そして日嗣もまた、かつて頭を落とした水霊に接したようにその場に跪いた。
「……お前は何者だ。……何故神依に?」
責める声ではない。ただもう既に悼む声音だったことに罪悪感を得ながら同じ問いを重ねれば、骨の龍はその頭をわずかに動かしそれに応えた。下顎が微かに震え、肉体を失った今そこから声が出るでもないに、か細い音が聞こえてくる。
『……私は、あの子に対して一番最初に罪を犯した者。その者の、魂の欠片を食った……食って死んだ、豊葦原の神だった者……』
「豊葦原の神?」
その思わぬ答えに、日嗣はそれをおうむ返しにして問いに変える。──今は伍名たち国津神でさえ常の住処を高天原に移しているのに、神依の流された時代にはまだ神が残っている場所があったのか。

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