この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~
第22章 天孫降臨
 ある夏の日、一人の少女が行方不明になった。走っている電車の車両から、鞄と傘だけを残して消えてしまった。
 不可解な消失、不可解な男。無尽蔵に溢れる不可解な情報は少女を玩具のように仕立て、大衆の、代わり映えしない日常を変える贄に祭り上げた。
 知りもしないのに、誰もが少女を語った。誰もが少女を思い描いた。誰もが少女の在り方を論じた。誰もが少女を知りたがり、誰もが自由の元あらゆる言葉を紡いだ。誰もが少女を求めていた。
 そうして少女は、多くの人間の執着を集めて、海の中に還ってきた。絶対に傷つけられることのない母の胎(はら)。そこで少女は、長い時を過ごすはずだった。
 仮世の記憶もそこで得た名前も、過ごしてきた時間も人生も、あらゆるものをあの子宮のような海洞で禊ぎ、それが済んだらまたそこから這い出て生まれ出てくるはずだった。
 人の世は短いから、こちらの時間で十月と十日。それだけ過ぎれば、過ぎた頃には仮世の縁は全て亡い。そこで本当に母のように笑む女に迎えられ、手を引かれて歩き出す。長く長く連なる白鳥居を潜って、潜って、潜れば最後、もう何もない。淡島の神とも人ともつかぬ住人となって、やんわりと溶け込んでいく。
 ……はずだった。
/1229ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ