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第46章 蕩けるキス

きっと、謝ればいいのだろうけど、何かが分からない。
だから、何も、言えない。
増々、華夜子は窮地に追い込まれ、項垂れる。
追い詰めるような事を言って、きっと、彼女を苦しめてるのは承知してた。
それでも。
このやり場のない気持ちを、どこへ持って行けば－陸はどうしても、彼女に優しく接する事が出来なかった。
喜んでいたのは、自分。
嬉しがっていたのは、自分。
やっと訪れた瞬間に、胸を震わせていたのは、自分。
一晩中彼女を想い、眠れぬ夜を過ごしていたのは、自分。
彼女とこれから新しい関係を築ける－思っていたのは、自分。
みんな、自分だけ－…。