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蕩けるようなキスをして
第6章 好きな女
三回目を呼ぼうか-そう、思った時。
「…言ったじゃん」
「…え?」
「呼び捨てにしないでって言ったじゃん」
軽く睨まれ、陸はようやく口元を緩めた。
「華夜子とカーヤ、どっちか好きな方選んでよ」
「どっちもやだって!」
普段通りの彼女だ-安堵し、陸は言い放つ。
「じゃあ、カーヤにしよ。可愛いじゃん。行こ、中入ろ」
「華夜子さん!」
憤慨して食ってかかる華夜子をかわし、陸は彼女の右手を握り、大学の建物を目指し歩き出した。
「ちょっと…!」
引き摺られ、追従する形となった華夜子は、抗議の声を上げた。
もう、離して-そう、何度も懇願してるのに。
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