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蕩けるようなキスをして
第42章 もう一秒
その溶けそうに甘い笑みに、華夜子はもう何度目か知れない気恥ずかしさを感じ、顔を赤らめる。
そんな風にされると、陸もつられ、恥ずかしさが募ってゆく。
「柄にもなく、何度もそんな顔すんなよ」
優しくなんか出来ず、ぶっきらぼうに、突き放すように、言い捨てる。
「なっ!?が、柄にもなくって、どーいう意味よっ?」
華夜子は陸の冷たいあしらいに、食って掛かる。
「ほら。普段はこんなにこえーじゃん」
陸の指摘に、増々、華夜子の頭に血が上る。
「私をいつも怖くしてるのはねえ-!」
-あなたじゃないの。
怒鳴ろうとして、
「普段は気が強くて、そんなにこえーのに。そんな女が、恥ずかしそうに、どきどきするって呟いたら…堪らなく可愛いって、思うに決まってんだろ。…どきどきしてんのは、こっちなんだよ。止めろよ、そーいうの。どきどきがさっきから止まんねーのは、俺の方なんだよ」
羞恥に染まった相貌で、陸に放たれる。
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