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蕩けるようなキスをして
第39章 一日千秋
陸が覗けば、今日のもそれは色とりどり、栄養のバランスも良く、最高に美味しそうに作られていた。
食欲のない今でさえ、食べてみたい-そう、思ってしまう、お弁当だった。
そこから、華夜子はなんの迷いもなく、卵焼きをひとつ、箸で取った。
そして、これまたなんの躊躇もなく、陸に差し出してくる。
その一連の動作があまりにも自然で、逆に陸が戸惑ってしまう程だった。
「…俺、ひとりで食べれるけど?」
「…毎回毎回食べさせろって、駄々捏ねるひとは誰でしたっけ?」
先回りして食べさせてやろうとすれば、今度はこんなにも意地の悪い事を言われる。
ただでさえ、未だに恥ずかしいのに、華夜子の顔はもう、真っ赤だった。
親切を仇で返すなら、もういい-憤慨しかけた華夜子の耳に、陸の声が届く。
「嘘だよ。ごめん、華夜」
「…」
「ほんとは俺、すげー嬉しがってる」
「…」
「欲しい、華夜。ちょうだい、華夜-」
食欲のない今でさえ、食べてみたい-そう、思ってしまう、お弁当だった。
そこから、華夜子はなんの迷いもなく、卵焼きをひとつ、箸で取った。
そして、これまたなんの躊躇もなく、陸に差し出してくる。
その一連の動作があまりにも自然で、逆に陸が戸惑ってしまう程だった。
「…俺、ひとりで食べれるけど?」
「…毎回毎回食べさせろって、駄々捏ねるひとは誰でしたっけ?」
先回りして食べさせてやろうとすれば、今度はこんなにも意地の悪い事を言われる。
ただでさえ、未だに恥ずかしいのに、華夜子の顔はもう、真っ赤だった。
親切を仇で返すなら、もういい-憤慨しかけた華夜子の耳に、陸の声が届く。
「嘘だよ。ごめん、華夜」
「…」
「ほんとは俺、すげー嬉しがってる」
「…」
「欲しい、華夜。ちょうだい、華夜-」

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