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蕩けるようなキスをして
第37章 欲しいもの
「けど。嫌がる女、どうこうする趣味なんてないし。無理矢理組み敷けば、行為自体は出来るかもしれないけれど。…俺が望んでるのは、そういうキスじゃないし、そういうセックスじゃない。相手の合意なくて、俺はやらない。華夜の事、本当にすげー大事に想ってるから。華夜が許してくれるまで、しない。ってか、出来ない」
微笑まれ、華夜子の目頭は熱くなる。
「軽蔑されるかもしれないけど。華夜とキスしたいって、いつも思ってる。華夜を抱きたいって、いつも思ってる。俺は、華夜が欲しい。堪らなく、欲しい。…けど一番欲しいのは、華夜の心だ。俺は、俺を好きだって言ってくれる、俺を受け入れてくれる、そんな華夜の心が一番、欲しい。…もっとも。今日の感じだと、そんな日は、暫く来なそうだけれども」
そこで一旦区切った陸は、暫し、次の言葉を探す-いや、正しくは、言い淀んでいる。
言葉には、何かが宿るって言うしな-口にする事を悩む。
喋ったことにより、現実になったら、それは嫌に決まっているけれど。
でも-。
「…俺達って、上手くいきそうで、なかなか上手くいかないよな。…俺達、一緒にいない方がいいのかな、なんて」
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