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蕩けるようなキスをして
第37章 欲しいもの
決して、乱暴にするつもりなどなかった。
けれど。
興奮の度合いが高まるにつれ、相手を気遣う余裕などなかった事に今更ながら、気付く。
抗う素振りも見せず、ただ自分の身体の下に横たわる彼女。
両手を結構な力で押さえていた事実をやっと認識し、陸はその両方の手を自由にしてやった。
枷となっていた陸の手が離れた感触に、華夜子は薄っすらと、その瞳を開けた。
もしかして、抵抗されてしまうかもしれない-思ったけれど。
そうなったらなったで仕方がない-そうも、陸は考えていた。
しかし。
そんな心配など、杞憂だった。
華夜子は、彼によって押し倒された状態のまま、陸に視線を合わせた。
その長く美しい髪は、床に波打ち、広がっていた。
上着の胸元は、彼の手によっていつしか広げられ、接吻の跡が幾つも覗いていた。
彼の膝が割って入っており、ミニスカートは乱れ、白い太腿が剥き出しとなっている。
その妖艶な肢体を、知らず彼の目の前に曝け出し、華夜子は陸を見上げる。
彼によってもたらされた悦びを帯びた、艶のある、その瞳で。
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