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第37章 欲しいもの

あくまでも優しく。
ゆっくりと。
勿論、押さえ付けられてる訳でもなく。
なのに。
お願いだから待ってほしい－なのに、拒めない。
彼の唇に。
濡れた舌先に。
くすぐる吐息に。
じわじわと侵され始める。
「待つって、約束だったけれど。…でも、もう、待てそうにない」
他の何も触られていない。
他の何もされていない。
ただひたすらに耳を攻められ続け、意識は既に、遠退きかける。
「俺を好きだと言ってくれるなら。俺を受け入れてよ、華夜－」
わざと音を立て舐められれば、神経は昂る。